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「できる、やると決めよ。そうすれば方法は見つかる」リンカーン|意味・背景・出典

「まず信じろ」という自己啓発の言葉ではない

「それはできる、それをやる、と決断せよ。それからその方法を見つけるのだ」。日本語ではこう紹介されることがありますが、リンカーンの原文はもう少し具体的です。

1848年6月20日、連邦議会で国内改良政策について演説したリンカーンは、“Determine that the thing can and shall be done, and then we shall find the way.” と述べています。Library of Congress所蔵のリンカーン文書でも確認できます。

背景は「困難な公共政策をどう実現するか」

旧記事では、この言葉を南北戦争や奴隷解放宣言でのリーダーシップから生まれたものとして説明していました。しかし発言はそれより十数年前です。その説明は時系列的に成立しません。

当時リンカーンが論じていたのは、道路や河川などの国内改良を連邦政府がどう進めるかという問題でした。実現には難しさがある。それでも、何もしないのではなく、実行すると決めたうえで現実的な方法を探すという議論の中にこの一文があります。

決意だけでは終わっていない

この言葉は「強く願えば何でもできる」という話ではありません。実際、リンカーンは直後に、やり過ぎずに何かを実行する方法こそ課題だと述べ、財源や優先順位の問題へ話を進めています。

つまり、決意は方法の代わりではなく、方法を探し始めるための出発点です。目的を決め、その後に制約と向き合う。この順序に意味があります。

決意のあとに必要なのは、予算と根拠だった

演説の続きを読むと、リンカーンは国内改良事業をむやみに広げる危険を認め、「何かを実行し、しかもやりすぎないにはどうするか」を問題にします。地域ごとに道路・河川・港などへの要求は異なり、どれを優先するかで利害が衝突します。そこで、一年度に使える予算の上限を先に考え、輸送量・各地域の生産力・運送に伴う遅延や損失などの情報によって優先順位を判断する案を示しています。The Papers of Abraham Lincolnの1848年6月20日演説本文、米国議会図書館の原資料から確認できます。

つまり「必ずできると信じれば成功する」という約束ではありません。実行する方針を決めること、資源の制約を明らかにすること、調査して選択することを組み合わせた議論です。現代の事業計画に応用するなら、まず目的と許容できる予算を定め、候補の便益と不確実性を比較し、実施後にも判断を見直す、という考え方ができます。これは演説から着想した本サイトの応用例であり、リンカーンが現代のマーケティングKPIを提案したという意味ではありません。

まとめ

この言葉はリンカーン本人の演説に確認できます。ただし、後世の自己啓発的な解釈をそのまま本人の意図とするのは避けた方がよいでしょう。

「できると思い込め」ではなく、「実行すると決めたなら、次は方法を探せ」。原文の議論まで読むと、精神論よりも実務的な言葉として見えてきます。

出典メモ:Abraham Lincoln, Speech on Internal Improvements, U.S. House of Representatives, June 20, 1848. Library of Congress所蔵のAbraham Lincoln Papersに原文を確認できます。

リンカーンの言葉を人物から読む

エイブラハム・リンカーン人物ページでは、自由・民主主義・自己形成をめぐる本人の演説や手紙と、回想記録・誤帰属を出典の強さごとに区別して読めます。

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