「真剣だからこそ、ぶつかる壁がある。」は、松岡修造さんの言葉として広く流通しています。直近の検索でもこの言葉そのものを探す人が多く、当サイトの記事も上位に表示されています。
ただし今回の調査では、松岡さん本人の公式サイト、著書の該当ページ、インタビューなど、この一文の最初の掲載場所までは特定できませんでした。そのため、本人名義で定着していることと、一次出典が確定していることは分けて扱います。
「真剣だからこそ、ぶつかる壁がある」の意味
この言葉の面白さは、壁にぶつかったことを「向いていない証拠」とは見ず、本気で取り組んだからこそ初めて見えた課題と捉え直すところにあります。
何も試していなければ、技術不足も、知識不足も、自分の限界も見えません。実際に取り組むことで、初めて「ここができない」という壁が具体化します。
「壁がある=必ず成長する」ではない
旧記事では、壁にぶつかればそれを乗り越えて成功へ近づく、という形でかなり一直線に説明していました。しかし、すべての壁が乗り越えるべきものとは限りません。
努力の方向が間違っている場合もあれば、方法を変えた方がよい場合、撤退した方がよい場合もあります。この言葉から確実に読み取れるのは、壁にぶつかったという事実だけで、自分の真剣さや挑戦そのものを否定しなくてよいという程度でしょう。
松岡修造名義での流通は確認できる
松山大学図書館の書評賞受賞作では、この言葉を「暦で偶然目にした」松岡修造の言葉として紹介し、その後、松岡さんの著書『応援する力』を手に取った経緯が書かれています。
また、自治体・学校の進路資料などでも松岡修造名義で使われています。したがって、本人名義で社会的に広く定着していることは確認できます。
一方、それらは本人の一次資料ではありません。どのカレンダー、著書、発言が初出なのかを確認できるまでは、「松岡修造の確定引用」と断言しない方が安全です。
壁にぶつかったときに使える問い
現代に引き寄せるなら、「壁があるから諦める」か「気合いで突破する」かの二択ではなく、次のように考えられます。
- この壁は、本気でやったから初めて見えた課題なのか。
- 努力量ではなく、方法を変える必要はないか。
- 乗り越える価値のある壁なのか。
言葉を「絶対に諦めるな」という命令にするより、壁の意味を見直すきっかけとして読む方が使いやすいでしょう。
確認した資料
- 松山大学図書館「第15回図書館書評賞」 — 松岡修造名義の言葉として紹介されている流通例。
- 鹿児島市立甲南中学校 進路通信 — 松岡修造名義で掲載されている公的な流通例。
出典状態:要検証。 本人の著書・公式発言などで初出を確認できた場合は更新します。