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「自分を愛せる人間が他人をも愛せる」は五木寛之の言葉?|ジョン・レノン帰属との混同

はじめに

「自分を愛せる人間が他人をも愛せる」。この日本語は、五木寛之の名言として多くのサイトや名言集に掲載されています。

ところが調べると、ほぼ同じ考えはジョン・レノン名義でも広く流通しています。英語では「まず自分自身を愛することを学ばなければ、他者を十分に愛する能力へ開かれない」という長い文章です。

今回の調査では、五木寛之についてもジョン・レノンについても、この短い日本語に対応する確実な一次出典を特定できませんでした。したがって、現時点で作者を一人に確定しないのが安全です。

五木寛之名義では長く流通している

日本語の名言データベース、恋愛関連記事などでは、長年この短句を五木寛之へ帰属する例があります。

ただし、具体的な著作名・章・インタビュー年月を示す資料は今回確認できませんでした。

「五木寛之の人生観に合う」という説明だけでは、逐語引用の根拠にはなりません。

ジョン・レノン名義にも似た長文がある

英語圏では、“We need to learn to love ourselves first…” で始まり、自分を愛せなければ他者を十分に愛する能力へ開かれない、という長文がジョン・レノン名義で広く流通しています。

日本語サイトの中には「自分を愛せる人間が他人をも愛せる」をジョン・レノンへ帰属する例もあります。

しかし、その英語長文についても、今回の調査ではレノン存命中のインタビュー・著作など確実な初出まで戻れませんでした。

短い日本語が独立して流通した可能性

「自分を愛すること」と「他者を愛すること」の関係は、心理学・宗教・自己啓発で広く語られる主題です。

そのため、長い文章が短く要約されたり、別の人物へ移ったりする条件がそろっています。

現時点では、五木寛之からレノンへ移ったのか、その逆なのか、あるいは別々に成立したのかを判断できません。

作者を外して、内容を読む

作者未確定でも、この言葉が投げかける問いは残ります。

自己嫌悪の状態で他者へ愛情を向けることはできないのか。自己愛は他者愛の前提なのか。それとも、他者を愛する経験を通して自分を受け入れることもあるのか。

「愛とは何か」テーマページでは、アリストテレス、スタンダール、トルストイ、ヘッセなど別の角度からこの問題を比較しています。

まとめ

「自分を愛せる人間が他人をも愛せる」は五木寛之名義で広く流通していますが、今回一次出典を確認できませんでした。

また、非常に近い思想の長文がジョン・レノン名義でも流通しており、こちらも確実な初出は未確認です。

したがって現時点では、作者未確定・帰属混同の可能性がある流通句として扱います。