はじめに
「われわれは現在だけを耐え忍べばよい。過去にも未来にも苦しむ必要はない。過去はもう存在せず、未来はまだ存在していない」。この言葉はアラン名義で『Propos sur le bonheur(幸福論)』由来として広く引用されています。
ただし今回の監査では、この定型句が収録された具体的なProposの日付・章まで一次テキストで確定できませんでした。したがって、『幸福論』由来として流通するアランの言葉だが、記事単位の原典位置は要確認として扱います。
アランの時間論とよく重なる
アランの『幸福論』には、過去を悔やむことや未来を恐れることより、現在の行動へ戻る文章が繰り返し現れます。「勉強しなかった」と嘆くより今学べ、と書く「La fatalité」もその一例です。
そのため、この言葉を単なる「今を楽しもう」という標語にするより、過去と未来について考え続けることで現在の行動を失わないというアランの実践哲学の中で読む方が自然です。
まとめ
この定型句はアランの『幸福論』由来として広く定着していますが、今回の調査では具体的な章まで確定できませんでした。内容はアランの現在・行動重視の思想と整合しますが、出典位置は引き続き要検証とします。
アランの人物ページへ → 教師・哲学者としての生涯、自由、反戦思想までまとめて読めます。『幸福論』全体は作品ページへ。