「一人では何も出来ぬ。だが、まず誰かがはじめなければならぬ。」
岸田國士の言葉として広く知られる一節です。青空文庫で公開されている作品『泉』に、旧仮名・旧字体では次の形で確認できます。
一人では何も出来ぬ、然し、先づ一人が始めなければならぬ
原典:岸田國士『泉』|青空文庫
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この一節は、現代ではリーダーシップや起業の名言として紹介されがちです。しかし原典は、岸田國士の作品『泉』に置かれた文章です。
旧記事では「岸田が多くのプロジェクトや運動を観察し、リーダーシップの重要性を説いた」と背景を作っていましたが、その説明を直接裏づける資料は示せていませんでした。
一人の限界と、一人から始まること
この言葉には二つの方向があります。前半では、一人だけではできないことがあると認める。後半では、それでも最初の一人が動かなければ何も始まらないと述べます。
つまり、個人万能論でも集団依存でもありません。協力が必要なことと、開始には個人の行動が必要なことを同時に置く表現です。
現代で読むなら
大きな仕事ほど一人では完結しません。それでも、最初の提案、最初の連絡、最初の試作は誰か一人から始まります。
この言葉を「何でも一人でやれ」と読むのではなく、協働を始めるための最初の責任を問う言葉として読むと、前半と後半がつながります。
出典状態
出典確認済み。岸田國士『泉』に原文を確認できます。現在流通する「だが」「誰かが」は、旧仮名・旧字体の原文を現代的に整えた表記です。