ベーコン「青年は発明と実行、新しい企てに向いている」|『青年と老年について』は若者をどう見たか

はじめに

「青年たちは判断するよりも発明すること、評議するよりも実行すること、決まった仕事よりも新しい企てに適している」。これはフランシス・ベーコン『随筆集』「青年と老年について」に確認できる真正な言葉です。

一見すると若者を称賛する文章ですが、原典は単純な「若者は挑戦せよ」という応援歌ではありません。

若さの強み

ベーコンは若者について、発明、実行、新しい計画に向くと述べます。想像力が活発で、新しいことへ踏み出す勢いがある。その性質は未知の課題で強みになります。

同時に、若さの危険も並べる

しかし続けて、若者は抱えられる以上のものを抱え、手段を十分考えず結論へ飛び、極端な方法を最初から使い、間違いを認めて方向転換しにくいとも書きます。

反対に年長者には、反論しすぎる、相談しすぎる、冒険が少なすぎるという弱点がある。どちらか一方を理想化していません。

若さと経験は補完できる

この文章の面白さは、世代論を勝敗にしないところです。新しい状況では経験がかえって人を誤らせることもある一方、経験が有効な領域では年長者の判断が役立ちます。

革新性と判断、速度と熟慮。異なる強みをどう組み合わせるかという組織論としても読むことができます。

まとめ

「青年は発明と実行、新しい企てに向く」は真正なベーコンの言葉です。

若さを無条件に褒めるのでも、経験を絶対視するのでもない。それぞれの強みと失敗パターンを観察して使い分けるところに、ベーコンらしい現実主義があります。

原典照合:フランシス・ベーコン『The Essays』所収「Of Youth and Age」に “Young men are fitter to invent, than to judge; fitter for execution, than for counsel; and fitter for new projects, than for settled business.” という英文が確認できます。続く段落では若者の判断の性急さと年長者の過度な慎重さをともに指摘しており、両者の長所を組み合わせる議論です。日本語の流通訳の最初の掲載資料や訳者は未確認です。

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