はじめに
「世の中で重要なことの多くは、まったく希望がないように思えたときでも試し続けた人々によって成し遂げられてきた」。この言葉には、デール・カーネギー本人による1942年の掲載例があります。
1942年1月29日、『The Marshall News Messenger』に掲載されたカーネギーのコラム “Being Discouraged Never Pays” です。
元の題材は発明家リー・ド・フォレスト
コラムでは、真空管Audionで知られる発明家リー・ド・フォレストが、技術的・金銭的・法的な困難を経験しながら研究を続けた話が紹介されます。
その例を受けてカーネギーは、重要なことの多くは、希望がないように見えたときにも“kept on trying”――試し続けた人々によって成し遂げられた、と書きました。
「試行錯誤」は少し意味を足している
日本語では「試行錯誤を続けた」と訳されることがあります。しかし原文は、より単純に「試し続けた」「やり続けた」という表現です。
失敗の原因を分析して方法を変える「trial and error」まで明示しているわけではありません。意味として近くても、原文と日本語の説明は区別しておく方が正確です。
後世の名言集だけが出典ではない
この言葉は1959年、妻ドロシー・カーネギーが編集した『Dale Carnegie’s Scrapbook』にも収録されました。そのため死後の名言集だけを出典とする紹介もあります。
しかし、より古い1942年の本人コラムまで戻れるため、カーネギーへの帰属は強いと言えます。
まとめ
この言葉は、デール・カーネギー本人の1942年新聞コラムに確認できる真正性の強い文章です。
「希望を持てば成功する」という精神論より、希望が感じられない局面でも、試す行為そのものを止めないという文脈で読む方が原典に近づきます。
出典メモ:Dale Carnegie, “Being Discouraged Never Pays,” The Marshall News Messenger, 1942年1月29日、6ページ第5欄。Quote Investigatorの書誌調査がこの掲載情報と原文を示し、1959年の死後編集書籍『Dale Carnegie’s Scrapbook』への再録も追跡しています。今回、1942年の新聞紙面画像そのものは独立閲覧できていないため、当サイトによる一次紙面の直接照合が済んだとは扱いません。kept on trying に「試行錯誤」の意味を加える場合は意訳として区別します。
デール・カーネギーの人物ページへ → 著作・新聞コラム・死後編集物を分けながら、継続と行動の思想をまとめて読めます。