ビル・ゲイツ「一つも笑われないなら、創造的ではないかもしれない」|2004年ワシントン大学演説

はじめに

「自分が出したアイデアを、少なくとも一回は人に笑われるようでなければ、独創的な発想をしているとは言えない」。この日本語には、ビル・ゲイツ本人の確かな発言があります。

2004年10月29日、ワシントン大学でのスピーチでゲイツは次の趣旨を語りました。

if you’re not being laughed at for at least one of your ideas, you’re probably not being creative enough

文脈はMicrosoftの創業話ではなく、大学そのもの

旧記事では、若いゲイツがメーカーへ斬新なプログラムを提案し、笑われた経験からこの言葉が生まれたように説明していました。

しかし2004年の演説でこの一文が出てくる文脈は、19世紀のシアトルに大学を作ろうとした人々の話です。

人口200人ほどの町に大学を作るという発想は当時「笑われてもおかしくないアイデア」だった。それでも創設者は実行し、後の都市発展へつながった、とゲイツは語ります。

「笑われれば正しい」という意味ではない

笑われること自体は、アイデアの質を保証しません。荒唐無稽な案も笑われます。

ゲイツが言うのは、創造的な発想は現在の常識や需要予測の外側へ出るため、少なくとも一つくらいは周囲から理解されない案があっても不思議ではない、ということです。

反対意見を無視せよというより、「笑われた」という事実だけを理由に、新しい可能性を捨てないための視点です。

実はゲイツ自身の初期ビジョンとも重なる

ゲイツとPaul Allenは、創業初期から「すべての机と家庭にコンピュータを」という構想を持っていました。

後年ゲイツ自身も、当時は「なぜ個人がコンピュータを必要とするのか」と考える非常に賢い人たちがいたほど、このビジョンは突飛だったと振り返っています。

ただし、2004年の名言の直接の題材はMicrosoftではなく、ワシントン大学創設史です。

まとめ

「一度も笑われないなら独創的とは言えない」という日本語には、2004年のワシントン大学スピーチへ戻れる本人発言があります。

ただし背景をMicrosoftの逸話へ作り替える必要はありません。原典では、将来の価値が現在の常識からは見えないことがあるという例として、大学創設の「笑われてもおかしくないアイデア」を取り上げています。

出典メモ:Bill Gates, University of Washington speech, October 29, 2004.

ビル・ゲイツの人物ページへ → Microsoft、PCのビジョン、顧客学習、創造性、競争と財団活動を、本人資料と出典不明の名言を分けてまとめています。

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