はじめに
「自分の周囲に、いつも好奇の目を向けろ」。そして「人の集まるところには、需要が暗示されている」。この二つは、日清食品グループの公式「安藤百福クロニクル」に掲載されている安藤百福語録です。
サイトでは以前、「人が集まっていれば覗き込む。商品に触る。分からなければ質問し、買って帰る。子供のように『なぜ?』と疑問を発しなさい」という長い形を本人の逐語引用として扱っていました。
今回、公式資料で直接確認できる二つの短い言葉を軸に、安藤の「観察から需要を見つける」仕事の仕方へ戻します。
ラーメン屋台の行列を「需要」として見た
終戦直後、大阪駅近くの闇市で、人々が一杯のラーメンを求めて長い列を作っていました。
日清食品の公式資料によれば、安藤は日本人が麺類を好むことと、その行列に大きな需要が隠れていることを感じ取ります。その記憶が、後のインスタントラーメン開発へつながりました。
重要なのは、「ラーメンが好きだったから作った」だけではないことです。人々が実際に時間を使って並んでいる行動そのものを、需要のシグナルとして見た点にあります。
好奇心は「面白がる力」であると同時に、観察の技術
好奇心というと、新しいものを好きになる性格のように聞こえます。
安藤の仕事では、目の前の現象を「なぜこうなっているのか」と見る姿勢に近いものがあります。なぜ人は並ぶのか。なぜ家庭で簡単に食べられる麺がないのか。なぜ海外では麺を紙コップに入れてフォークで食べるのか。
答えを知ってから見るのではなく、違和感や行動の変化を、そのまま問いとして持つ。それが商品開発の入口になります。
「顧客に聞く」だけが顧客理解ではない
マーケティングでは顧客インタビューやアンケートが重要です。ただし、人は自分の需要をいつも言語化できるわけではありません。
長い行列、面倒でも続けている作業、代用品で済ませている行動。こうした現実の行動には、本人が「欲しい」と言っていない需要が現れることがあります。
BtoB顧客理解でも、発言だけでなく業務、制約、意思決定、既存の代替手段を見ることが重要です。
まとめ
「自分の周囲に、いつも好奇の目を向けろ」「人の集まるところには、需要が暗示されている」は、日清食品グループが公式に掲載する安藤百福語録です。
二つを合わせると、好奇心とはアイデアをひねり出すための気分ではなく、人の行動と社会の変化を観察し、まだ言葉になっていない需要を見つける姿勢として見えてきます。
出典メモ:日清食品グループ「安藤百福クロニクル」(安藤百福語録・チキンラーメン開発の経緯)。
安藤百福の人物ページへ → チキンラーメン、カップヌードル、需要発見、顧客の時間、発明と執念を公式資料からまとめて読めます。
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