宇津木妙子「悪いところをどう活かすか」|選手の癖と適材適所の指導論

はじめに

「悪いところを悪いと考える前に、それをどう活かしていくか」。ソフトボール指導者・宇津木妙子の言葉として紹介される一節は、ただ前向きに考えればよいという話ではない。選手の動きの「癖」を、実際の競技でどう使えるようにするかという指導の現場から語られた考え方だ。

欠点を直すことだけが成長ではないが、危険な動きや安全上の問題まで放置してよいわけでもない。ここでは、確認できる引用資料と本人インタビューを照らし、直すべきことと、生かせる違いを見分けるという問いに戻る。

出典の手がかりはソフトボール関係の人物紹介

NPO法人ソフトボール・ドリームのサイトに掲載されている人物紹介PDFには、宇津木の言葉として「悪いところを悪いと考える前に、それをどう活かしていくか」という趣旨の発言が収録されている。周囲の文章では、選手ごとのプレーの「癖」をどう扱うかが話題になっている。

この資料は、言葉を単独で集めただけの名言集より具体的な文脈を持つ。ただし今回、公開PDFの検索結果で掲載箇所を確認したものの、PDFの該当ページを画像で直接照合することまではできなかった。記事内で現行の文章が原本と完全に一致すると断言せず、出典状態は「要検証」とする。

資料の題名は「人を殴打ち、自分を殴打つ」と表記される。個人の欠点を人生訓へ広げる前に、現場の指導についての発言であることを確かめたい。発言の趣旨は「悪いところが一切ない」と言うことではなく、具体的な活用を考えることにある。

指導者・宇津木妙子の背景

笹川スポーツ財団の2021年取材では、宇津木はシドニー五輪とアテネ五輪で女子ソフトボール日本代表を率いた経験を振り返る。とりわけ、選手が監督の顔色をうかがうことに気づき、自分の目元が見えにくいサングラスをかけたという話が興味深い。

選手自身が判断しやすいようにする試みは、指導者が何でも正解を決めるやり方から一歩離れている。「選手を変える」だけでなく「指導者の関わり方を変える」ことも、チームづくりの一部になる。

またNPO法人コーチ道のインタビューでは、教えすぎると選手が考えなくなることや、性格に応じて教え方を変える必要性が語られている。選手をよく見て、それぞれに合う力の発揮の仕方を探すという観点は、別の取材資料でも確かめられる。

「癖を活かす」とはどういうことか

スポーツのフォームには、結果を損なう動きもあれば、人によって合理的な違いもある。全員を一つの形に直そうとすると、別の長所まで失うことがある。「違うから悪い」と判断する前に、その動きが何を生んでいるかを見る必要がある。

例えば打者の構え方が独特でも、打球への対応が安定しているなら、外見の違いだけを理由に変えなくてもよいかもしれない。一方、けがにつながる動きや明らかに危険な癖には修正が必要になる。活用できる個性と、放置できないリスクは別だ。

これは、選手に合わせて目標を変えることを無条件に推奨する話でもない。必要な技能やルールは共有しながら、それを身につける道筋や得意な役割が人によって違うことを認める。基準をなくすのではなく、達成方法を考え直すという発想が役に立つ。

仕事や学習への現代的な応用

組織で、発言が少ない人を単純に「消極的」と評価することがある。しかし、準備した情報を丁寧に整理することが得意なのかもしれない。会議だけでなく、文書や事前ヒアリングでも意見を出せるようにすれば、能力の見え方が変わることがある。

反対に、声が大きく発言も早い人が、すべての意思決定に向いているとも限らない。得意な仕事と、改善が必要な場面を具体的に分ける。人格へ一つの評価を貼り付けず、仕事の条件ごとに判断すると、選択肢が増える。

ただし、「活かし方があるはず」と言って、本人に不向きな仕事を押しつけるのは違う。本人の意向や安全、必要な支援を確かめたうえで役割を調整する。適材適所とは、周囲の都合で人を決めつけることではない。

まとめ・確認資料

宇津木妙子の「悪いところをどう活かすか」という発言には、選手のフォームの癖を、ただ修正するのではなく生かそうとする指導の文脈がある。引用を掲載した人物紹介PDFの該当ページを直接照合できていないため、出典状態は「要検証」とした。

確認資料:NPO法人ソフトボール・ドリーム掲載「人を殴打ち、自分を殴打つ」PDF(検索掲載文で該当箇所を確認、PDF実ページの直接照合は未了)/笹川スポーツ財団・宇津木妙子本人インタビュー/NPO法人コーチ道・宇津木妙子インタビュー(後編)。関連記事:「ちょっと変わった子がチームを救う」。出典状態の読み方。

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