東京メトロ「Find my Tokyo.」の意味と出典|2015年に始まった街の発見の広告

はじめに|自分だけの東京を見つけるとは

「Find my Tokyo.」。東京メトロの企業広告で使われたこの言葉は、見慣れた都市を自分の目で見つけ直すよう促している。東京には名所も多いが、それだけで街の魅力が決まるわけではない。人それぞれが好きな場所や経験を見つけることを、短い英語で表現している。

英語の「my Tokyo」は、東京という都市を自分だけの所有物にするという意味ではない。行きつけの店、初めて降りる駅、偶然出会った風景など、個人的な思い入れを持つ街の姿を指すように読める。同じ都市でも人によって見える風景が異なるところが面白い。

この言葉は、いったいいつ始まったのだろう。2016年のCMで覚えている人もいるかもしれないが、公式記録では2015年度の企業広告としてスタートしている。キャンペーンの開始年と、後から登場した出演者や企画を混同しないように確認したい。

出典|2015年3月27日の東京メトロ公式発表

東京メトロの2015年3月27日付ニュースリリースは、同年4月1日から「Find my Tokyo.」という企業広告を開始すると発表した。副題には「メトロでみつかる、わたしの東京。」という日本語が添えられている。キャンペーン名と開始年月日を運営会社自身の資料で直接確認できる。

同じ発表では、お客さん一人ひとりがお気に入りの東京を見つけ、街をもっと好きになってほしいという意図が説明されている。交通手段の便利さを伝えるだけではなく、街で過ごす経験を描くことがねらいだ。鉄道の利用を、目的地での発見と結びつけている。

2016年には石原さとみを起用した新しいキャンペーンが発表されたが、名称がその年に初めて誕生したわけではない。2015年の発表には堀北真希の起用が記されている。広告のコンセプトと、年度ごとの出演者・企画を別々に扱うことが歴史の正確さにつながる。

「Find」の意味|移動よりも発見へ目を向ける

英語の「Find」は見つけるという動詞だ。すでにある有名な場所へただ行くという意味だけでなく、自分の興味に合った何かを探し当てる感覚が含まれる。移動の目的を、駅に到着することから街を知ることへ少し広げている表現と言える。

同じ駅で降りても、歴史を知りたい人は古い建物に目を向け、食べ歩きが好きな人は小さな店を探すかもしれない。それぞれの関心が街の体験を形づくる。都市の魅力を一つのランキングや定番コースだけで測らないところが、この言葉の強みだ。

ただし、実際に出かけなければ価値ある経験ができないと決めつける必要はない。家の近くでいつもと違う道を歩くことも、自分の街を見直すきっかけになる。新しい発見を遠い旅や大きな出費だけに結びつけないで考えたい。

なぜ鉄道会社が街を語るのか|駅の先にある体験

鉄道会社の広告なら、運行本数や路線の便利さを説明する方法もある。ところがこのキャンペーンは、乗客が駅を出た後に何を体験するかを中心に据えた。自社のサービスを利用する行為だけでなく、その先にある暮らしの価値を描いている。

東京メトロの公式説明には、街の文化を体験する動画や、各地の意外な魅力を紹介する企画が登場する。人が新しい場所を好きになる理由は、広告に書かれた機能一覧だけでは説明しきれない。実際に歩き、人と出会う経験を通して場所との関係が変わるという発想だ。

もちろん、すべての紹介先が誰にとっても魅力的とは限らないし、実際の移動時間や混雑は別に調べる必要がある。観光を促す企業メッセージと、移動計画に必要な実務情報を混同しないことは忘れたくない。

現代的な読み方|慣れた場所で新しいものを見る

長く住んでいる街でも、行ったことのない道や店が残っている。毎日の通勤や買い物の中で、少し別の景色に目を向ければ、身近な場所の印象が変わることもある。街をよく知っているという思い込みを、一度外してみるという小さな実践にできる。

ただし、知らない街へ行くときは安全や地域のルールに気を配りたい。撮影や立ち入りが許されていない場所を、発見の名のもとに訪ねるべきではない。新しい経験を楽しむことと、その場所で暮らす人を尊重することは両立できる。

旅を誘う広告として、トヨタ「いつかはクラウン」と比べると違いが見える。トヨタのコピーは将来ほしい具体的なものを、東京メトロは自分の関心に合う街の姿を探すことを描く。未来の所有と今の発見では、想像する価値の形が異なる。

まとめ|2015年から始まった「わたしの東京」

「Find my Tokyo.」は、東京メトロが2015年4月1日に開始した企業広告の名称である。2015年3月27日の公式リリースから、文言と開始日、ねらいを直接確認できる。企業公式の一次資料で確認できるため、出典タグ114とした。

この言葉は、東京を一つの決まりきった名所の集合としてではなく、利用者それぞれが発見する場所として描く。どこへ行くかだけでなく、何に心が動いたかを大切にするという読み方ができる。

主な出典は東京メトロ・2015年3月27日公式ニュースリリースと2016年3月31日付の新キャンペーン発表。2015年の開始と2016年の出演者刷新を区別し、現在の運行情報を語る根拠とはしていない。

ほかの記事を探す

記事の訂正・出典情報は、お問い合わせから該当記事のURLと根拠資料をお知らせください。

↑ ページの先頭へ戻る