はじめに|目標の大会にただ行くだけではない
「LA28へ行きたい。それも万全の状態で」。ブラジルのスケートボード選手ライッサ・レアウが、2024年パリ五輪後のIOC公式取材で語った目標を日本語にした言葉だ。出場そのものと、納得できる状態で舞台に立つことを分けて考えているところが印象的である。
次の大会へ向かうとき、人は出場資格や順位のような明確な目標を持つ。しかし体調や技術、挑戦したい表現について考えることも必要になる。目標の日付だけでなく、そこへ至る過程も自分で考えるという視点が生まれる。
この言葉を、勝てる状態が完成したら参加せよという命令にするべきではない。レアウはまだ十代だった2024年の取材で、これから実現したいことをいくつも話している。今の彼女が描く将来像であり、確定した結果ではないと理解したい。
この言葉の背景|パリ2024からロサンゼルス2028へ
IOCのOlympics.comは、2024年のWorld Skate Games Italiaの会場でレアウへ取材した内容を公開している。そこではパリ五輪の銅メダルを獲得するまでの苦しい展開や、仲間の支えを本人が振り返っている。発言者と取材の場面をIOCの公式記事で確認できる。
決勝で思うように滑れず不安になったとき、チームの声がけで集中を取り戻したという話が登場する。周囲が励ましたことも本人は覚えている。高い目標へ向かう選手が、いつでも一人で自信を保っていたわけではない点が重要だ。
取材の後半でレアウは「Of course, I want to get to LA28, and get there well」と語る。続けて大会以外にもスケート映像を発表したいという希望を述べる。掲載された英語の発言を基にした日本語の意味訳であり、日本語で本人が語った文ではない。
この名言が示す深い意味|到達点と状態を一緒に考える
目標を立てるとき、「いつまでに何を達成するか」だけを決めると、その時点の自分がどんな状態でいたいかを忘れる場合がある。実績の数字と、挑戦するために整えておきたい条件を区別することに意味がある。
ただし、万全な状態を完全な準備と考えると、何も始められなくなる。スポーツには当日の予測できない要素があり、練習中にも新しい課題が見つかる。準備を大切にすることと、完全さにこだわりすぎないことは両立する。
レアウが大会以外の創作的な目標も語っていることも興味深い。競技者であると同時に、映像を残すなど別の形でスケート文化へ関わりたいと考えている。一つの大会だけに自分の活動の意味を閉じ込めない見方ができる。
現代的な解釈|予定をこなすだけではなく
仕事で発表の機会を得たとき、予定どおり登壇することだけに集中すると、何を伝えたいかが後回しになることがある。その場に参加する目標と、そこで何を実現したいかという目標を分けると準備しやすい。
学び直しでも、試験の日に合格する目標と、知識を使えるようになる目標は一致するとは限らない。どちらも大切にしてよい。期限がある成果と、長く残したい能力を両方育てる考え方が役立つ。
一方、体調や家庭の事情など、自分だけで調整できない条件もある。十分な状態を作れなかった人を努力不足だと決めつけてはいけない。本人がコントロールできる準備と、周囲の支えが必要な条件を分けることが重要だ。
日常生活で実践する方法|目標を二つの文で書く
新しい挑戦を決めたら、まずいつまでに何をするのかを書き、次にどんな状態でその日に臨みたいかを書いてみる。行動の締め切りと、自分が望む経験の質を別々に見えるようにする簡単な方法だ。
次に、必要な練習や準備を小さく分ける。体調や時間の余裕も含めて、無理なく進められる条件を確認する。目標が大きいほど、今日できる準備を具体的にすると取り組みやすくなる。
そして途中で状況が変わった場合には、目標の内容を見直してよい。レアウ自身も取材時点で将来を語っていたのであり、未来は確定していない。希望を持つことと、必要に応じて計画を調整することを共存させたい。
まとめ|LA28に「どう」向かうのか
レアウの一節は、2024年のIOC・Olympics.com公式インタビューに確認できる。LA28へ進みたいという願いと、そこへ良い状態で到達したいという思いを一続きに述べた発言である。
この言葉を読むと、目標を達成することだけでなく、どのような経験を積んでその時を迎えるかという問いが生まれる。遠い未来の目標を、現在の準備と結びつける姿勢が伝わってくる。
競技を楽しむことと挑戦を両立した別の選手として、鍵山優真「楽しく滑れたことがなによりの経験」も関連する。レアウはこれからの到達点を、鍵山は終えた大会の経験を語る点で異なる。原典:IOC公式レアウ独占インタビュー。