「20代の頑張りが、その後の人生を決める」。
そんな言葉を、以前の私はかなり真面目に信じていました。
若いうちに働く。経験を増やす。失敗する。能力をつける。周囲より少しでも前へ進む。
そうすれば、いつか楽になるのだと思っていました。
頑張った先には、また次の競争があった
20代の私は、自分なりによく働いたと思います。
仕事を覚え、環境を変え、知らないことを学び、その時々で少しでも前へ進もうとしてきました。
頑張ったことで得られたものは確かにあります。できる仕事は増えましたし、見える世界も広がりました。
でも、一つだけ勘違いしていました。
頑張れば、どこかで競争が終わると思っていたのです。
実際には、一つ上へ行けば、その場所にはまた次の基準がありました。できることが増えれば、期待されることも増えます。次の役割、次の成果、次の年収、次の肩書き。
上へ行くことを目的にする限り、ゴールはなかなか現れません。
「成長すること」と「上へ行くこと」は同じではない
以前は、成長とは昨日より高い場所へ行くことだと思っていました。
今は少し違います。
知らなかったことを知る。できなかったことができるようになる。自分に合わないものが分かる。大切にしたいものが変わる。そういう変化も成長です。
役職が上がらなくても、年収が増えなくても、以前より自分のことを理解できるようになることはあります。
逆に、外から見れば順調に上っていても、自分が何を望んでいるのか分からなくなることもあります。
自分に合わない頑張り方は、続かない
努力そのものが悪かったとは思いません。むしろ、あの時期に頑張ったから得られたものはたくさんあります。
ただ、自分の性格や生活まで無視して、世の中で評価される方向へ走り続ければ、どこかで無理が出ます。
問題は頑張ったことではなく、「頑張り続けなければ価値がなくなる」と考えていたことだったのかもしれません。
人生を一本のランキングにしない
仕事には数字があります。評価もあります。収入も役職も、ある程度は比較できます。
でも、それらを全部まとめて「人生の順位」にしてしまうと苦しくなります。
仕事では挑戦したい。でも、穏やかな時間もほしい。成長したい。でも、家族や自分の時間も大切にしたい。社会で成果を出したい。でも、それだけで人生を埋めたくはない。
複数の価値を持っていていいはずです。
上へ行くのではなく、自分の方向へ進む
若い頃の自分は、「上」を見ていました。
今は、「どちらへ行きたいか」を考えることの方が増えました。
もちろん、これからも仕事では成長したいし、新しいことにも挑戦したいと思っています。
ただ、それは誰かが決めた階段を永遠に上ることとは違います。
上へ行き続けなくてもいい。
自分が大切にしたいものを増やしながら、自分の方向へ進めばいい。
20代を振り返って、今はそう考えています。