東京に来て良かったのか、今でもわからない

23歳の時、東京にきた。

野心があって来たわけではない。当時付き合っていた恋人の後を追って来た。

その恋人とは半年後に別れた。高校時代から付き合い、数年の遠距離恋愛を経てきたわりに最後は呆気なかった。

恋人の家に住まわせてもらっていたが、破局と同時に追い出されることになった。

安月給だったので、親を頼って引越しした。

恋人の後を追って東京に来ただけなのに、何故か実家に帰ることは全く考えなかった。何故なのかは今でもよくわからない。

その後は東京での生存を許されるために、まだ見ぬ何かを掴むために働いた。

7年経った。

随分と人に迷惑をかけたし、苦労もあったが東京での生存は許された気がした。しかし、まだ見ぬ何かの正体については何もわからないままだ。

何でもあるけど何をない街で何かを探して今日も生きる。