「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし」は徳川家康の言葉?|後世の「家康遺訓」

結論:家康本人の言葉とする証拠はない

「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。」は、徳川家康の遺訓として非常に有名です。

しかし、大阪府立中央図書館のレファレンス調査では、家康が実際にこの遺訓を残した証拠は確認できないとされています。現在広まっている文面のもとになったものは、後世の「人のいましめ」と考えられる、という研究も紹介されています。

「家康遺訓」としては長く広まってきた

本人の言葉と確認できない一方で、この文章が「家康の遺訓」として長く読まれてきたことも事実です。辞書にも、そのような伝承として掲載されています。

つまり、家康本人の直接の言葉と、家康の名に結びついて後世に広まった教訓を分けて読む必要があります。

言葉そのものの意味

人生を、重い荷物を背負って長い道を進むことにたとえています。続く「急ぐべからず」まで読むと、苦労を美化するというより、焦らず進むことを勧める言葉です。

ただし、この人生観をそのまま徳川家康本人の思想として説明するのは避けます。作者が確定していないからです。

出典状態

誤帰属。 「徳川家康の遺訓」として定着していますが、本人が残した確かな一次資料は確認されていません。後世に成立した文書を家康名義で伝えたものとして扱います。

確認した資料:国立国会図書館 レファレンス協同データベース。出典状態の基準は名言の出典ステータスの読み方、監査記事は出典から名言を探すへ。

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