フランクリン「説得するなら利益について話せ」|1734年『プア・リチャードの暦』

「説得をしたいなら、論理を用いるのではなく、利益について話せ」。フランクリン名義のこの言葉には、1734年の『Poor Richard’s Almanack』に対応する英文があります。ただし「論理は不要」「相手を利益で操れ」という意味に単純化すると危険です。

原文は「Would you persuade, speak of Interest, not of Reason」

1734年の暦には“Would you persuade, speak of Interest, not of Reason.” とあります。『Poor Richard』の6月欄に掲載された表現と、Quote Investigatorは紙面資料を挙げて説明しています。

日本語では「利益」が使われますが、interest は単にお金の儲けだけでなく、聞き手にとって重要な利害や関心も指します。また「Reason」は論理的な根拠をすべて放棄してよいという現代的指示ではありません。人の考えを変えるには、その人にとって何が問題なのかを理解することが重要だという対比です。

いつ、誰に向けた発言なのか

この一節は外交交渉の演説や営業の教科書ではありません。『プア・リチャードの暦』の読者に向けた短い格言です。フランクリンがどの交渉でこれを実際に口にしたという個別の記録は確認できません。

そのため、従来の説明にあった「本人の外交・商業上の成功から導かれた特定の説得法」という成立事情は、原典だけからは立証できません。

利益を伝えることと、人を操ることの境目

現代のBtoB営業を例にすれば、製品の機能を列挙するだけでなく、顧客が解決したい問題と費用・効果を聞くことは合理的です。しかし利益を大きく見せるために数字を誇張したり、欠点を隠したりしてよいわけではありません。

説得では、相手の関心を理解することと根拠を誠実に提示することを両立させる必要があります。これは現在の実務への応用であり、1734年の原文にBtoBマーケティング論が書かれているという意味ではありません。

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出典確認済み・日本語は意訳。 原文に対応する内容が1734年の暦にあります。「論理より利益」という対比を、虚偽や恣意的な操作の正当化には用いないよう注意が必要です。

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