ルソー「社会秩序は自然から来るのではなく、合意に基づく」|『社会契約論』が問う政治秩序の根拠

はじめに

「社会の秩序は自然から生じたものではない。社会の秩序は慣習の上に基礎付けられている」と流通するルソーの言葉には、『社会契約論』第1編第1章の明確な対応箇所があります。

英訳では、社会秩序は重要な権利だが「自然から来るものではなく、conventions(合意・約束・取り決め)に基づく」とされます。日本語の「慣習」だけでは、少し意味がずれやすいところです。

社会秩序は「自然だから正しい」のではない

ルソーは、人間社会の政治的支配を自然の事実だけで正当化しません。力があることと、支配する権利があることは別です。

だから『社会契約論』では、正当な政治秩序がどのような合意によって成立しうるのかを検討します。

まとめ

この言葉の核は真正ですが、「慣習」という訳だけで読むより、社会秩序の正当性は自然の事実ではなく、人間どうしの合意・取り決めを必要とするという文脈で読むほうが原典に近いでしょう。

原典と出典状態

『社会契約論』1762年初版の第1編第1章には「Mais l’ordre social est un droit sacré, qui sert de base à tous les autres. Cependant ce droit ne vient point de la nature; il est donc fondé sur des conventions」とあります。conventionsは単なる「慣習」に限定されず、合意や取り決めを意味するため、流通する日本語には文言変化・意訳の注記を付けます。

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