はじめに
「魂にとっての良心とは、身体にとっての本能に等しい」。これは『エミール』の「サヴォワ助任司祭の信仰告白」に明確な対応箇所がある真正な文章です。
原典では「良心は魂の声、情念は身体の声」と述べたうえで、良心は人間の真の案内者であり、魂にとって本能が身体にとってそうであるようなものだ、と続きます。
理性だけでは道徳を作れない
ルソーはこの箇所で、理性だけでは自然法を確立できず、人間の心の根源的な感情が必要だと論じます。良心は、単に社会から教え込まれたルールという位置づけではありません。
ただし、これは『エミール』内部の宗教哲学的な長い議論の一部です。短い「直感を信じよう」という標語に縮めると、理性・感情・良心の関係を考える文脈が消えます。
まとめ
「良心は魂にとっての本能」は真正なルソーの言葉です。
その核心は、道徳的判断を抽象的な理性だけから説明せず、人間の内側にある良心という感覚を重要な案内役として位置づけたことにあります。