安藤百福「やれそうもないことを成し遂げることが、仕事というものである」|公式語録と仕事観

はじめに

「やれそうもないことを成し遂げることが、仕事というものである」。この言葉は、日清食品グループの公式「安藤百福クロニクル」に安藤百福語録として掲載されています。

サイトでは以前、「私は人のやらないことをやろうと考えています。やれそうもないことを成し遂げるのが仕事というものとちがいますやろか」という長い形を掲載していました。

今回、公式資料で直接確認できた短い形を正本として扱います。長い流通形については、具体的な初出を確認できるまで逐語引用とはしません。

「難しい仕事を選べ」というだけではない

難しいことをすれば偉い、という意味にすると、この言葉は単なる苦労礼賛になります。

安藤が実際に取り組んだ問題は、「家庭でお湯を注ぐだけで食べられ、保存でき、安価で、安全で、おいしいラーメン」というものです。

当時は実現方法が見えていなかった複数の条件を、商品として成立するところまで持っていく。その意味で「やれそうもない」は、難しさそのものより、まだ解き方のない問題を指していると読めます。

カップヌードルでは、容器から販売方法まで作った

カップヌードルでも、麺だけ作れば終わりではありませんでした。

海外の食習慣に合う容器、麺を壊さず固定する方法、フタ、具材、大量生産設備、さらに自動販売機や歩行者天国での販売まで、新しい仕組みが必要でした。

仕事とは与えられた手順を正確にこなすことだけではなく、目的を達成するために足りない仕組みそのものを作ることでもあります。

「人のやらないこと」と独創性

安藤百福の公式資料には、ほかにも「時代の変化に対応するのではなく、変化をつくり出せ」「明日になれば、今日の非常識は常識になっている」といった語録があります。

これらを並べると、仕事の価値を「誰もやっていないこと」だけで測っているわけではありません。新しいものによって、人の生活を変えることが中心にあります。

「仕事とは何か」テーマページでドラッカー、フォード、ジョブズらと比較すると、安藤は「まだ解かれていない問題を、使える形まで解く」という仕事観を加えます。

まとめ

「やれそうもないことを成し遂げることが、仕事というものである」は、日清食品グループが公式に掲載する安藤百福語録です。

チキンラーメンとカップヌードルの開発史から読むと、難しいことを好んで選ぶという話ではありません。まだ方法がないが、人の役に立つ問題を、商品や仕組みとして実現することを仕事と見る言葉です。

出典メモ:日清食品グループ「安藤百福クロニクル」。

安藤百福の人物ページへ → チキンラーメン、カップヌードル、需要発見、顧客の時間、発明と執念を公式資料からまとめて読めます。

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