「三次元の曲面を使えば使うほど、最後やっぱり職人の手になる。」
伊東豊雄の言葉として流通している表現です。
今回、伊東本人への建築インタビューで、これに直接対応する発言を確認できました。ただし、掲載されている本人の文章は現在流通する短文と完全一致ではありません。
本人は「どんなものでも最後はやはり職人たちの手によってできる」と語っている
東西アスファルト事業協同組合のインタビューで、伊東は三次元曲面の建築について、コンピュータ技術や3Dプリンタによって設計は以前より容易になった一方、施工の問題は残ると説明しています。
その流れで、「どんなものでも最後はやはり職人たちの手によってできる」と語っています。
さらに、三次元モデルを見ながら配筋する職人に触れ、「俺がやってるんだ」という志を持った職人がいて初めて三次元曲面が実現すると続けます。
デジタルか職人技か、という二択ではない
この文脈では、デジタル技術を否定していません。
設計ではコンピュータや3Dプリンタを活用しながら、現場で形にする段階では職人の技能が必要になる。
高度なデジタル設計と高度な施工技術が相互に必要になるという話です。
台中オペラハウスの施工経験が背景にある
伊東は、三次元曲面を大規模に用いた台中メトロポリタン・オペラハウスの施工に長い時間がかかったことを例に挙げています。
コンピュータ上で形を描けることと、その形を現実の建築として成立させることは同じではありません。
出典と判定
本人発言は、東西アスファルト事業協同組合の伊東豊雄インタビュー「明日の建築を考える」で確認できます。
現在流通する「三次元の曲面を使えば使うほど、最後やっぱり職人の手になる」は、本人発言の趣旨を短く圧縮した形とみられ、逐語的な引用とは一致しません。
そのため、この記事では「文言変化・意訳」と判断します。
引用の判定基準は出典ステータスの読み方にまとめています。