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『三銃士』1844年原作のあらすじと結末|ダルタニャンは銃士になれた?ミレディの最期

はじめに――『三銃士』はなぜ主人公が四人なのか

『三銃士』と聞いて、主人公は三人だけだと思うかもしれません。1844年に発表されたアレクサンドル・デュマの冒険小説では、アトス、ポルトス、アラミスという三人の銃士に、若いダルタニャンが加わります。中心となる仲間は四人ですが、題名の三銃士は先輩の三人を指すのです。

ダルタニャンは国王の銃士隊に憧れてパリへ向かいます。しかし最初から銃士として迎えられるわけではありません。仲間と出会い、王妃をめぐる陰謀や争いに巻き込まれながら道を開きます。友情の合言葉だけでなく、宮廷政治、恋愛、裏切り、復讐が重なる長編です。

この記事ではProject Gutenbergに収録された1844年作品の古い英語訳を中心に、主要人物、ダイヤモンドの飾り、ミレディの最期、物語の終盤を確認します。フランス語の1844年初刷を全文校合したという意味ではないため、参照した版と確認範囲を区別して紹介します。

銃士隊を目指すダルタニャン――三人との意外な出会い

物語の始まりは1625年のフランス。ガスコーニュ出身のダルタニャンは、父の手紙などを携えてパリへ出発します。若さと自尊心からすぐに喧嘩を始める彼は、決して落ち着いた模範生ではありません。勢いよく行動する長所と、短気で失敗を招く弱点が同居する主人公です。

パリで隊長トレヴィルを訪ねたダルタニャンは、アトス、ポルトス、アラミスと次々に衝突して、同じ日に決闘する約束までしてしまいます。ところが枢機卿の護衛隊が介入すると、彼は三人の側に加わって戦います。敵として出会ったはずの人々が、共通の困難を通じて仲間になる展開です。

このときダルタニャンはまだ正式な銃士ではありません。彼が三人と行動を共にすることと、隊の身分を得ることは別です。「三銃士とダルタニャン」の関係を理解するには、友情と軍の正式な役職を混同しないことが大切です。

王妃のダイヤモンド――ロンドンへ向かう冒険

宮廷の事件では、ルイ13世の王妃アンヌと英国のバッキンガム公との関係が重要になります。王妃が公爵へ渡したダイヤモンドの飾りを、王が舞踏会で身につけるよう求めたことから、王妃は窮地に立たされます。個人の贈り物が、王宮の権力争いの材料になってしまうのです。

王妃のもとで働くコンスタンス・ボナシューに心を寄せるダルタニャンは、仲間と協力してロンドンへ向かいます。途中でさまざまな妨害に遭い、三人の銃士はそれぞれ足止めされます。仲間がいたからといって、全員が最後まで同じ場所で冒険できるわけではありません。

ダルタニャンはバッキンガム公のもとへ到着し、王妃の名誉を守るための品を取り戻そうとします。ミレディが飾りの一部を盗んでいたため、代わりの品が作られます。冒険の華やかさの裏には、相手の計画を先読みする情報戦があります。

ミレディの正体――友情を脅かす存在

後半で重要性を増すミレディは、敵味方を操る人物です。彼女は枢機卿の密命に関わるだけでなく、ダルタニャンやアトスの過去とも深く結びついています。最初から一つの悪事だけを行う単純な敵ではなく、身元や人間関係が徐々に明らかになる人物です。

アトスは、ミレディがかつて自分の妻だった女性だと知っています。彼女には罪人を示す烙印があり、アトスは過去の出来事を思い出します。物語には女性への暴力や、当時の裁判・刑罰観を映す描写があります。登場人物が語る罪や正義を、現代の法律や倫理の正しさとして無批判に受け入れないように読む必要があります。

イングランドではミレディがフェルトンを利用し、バッキンガム公の暗殺へとつながります。その後も彼女の企ては続き、ダルタニャンの愛するコンスタンスの死にも関わります。最初の華やかなダイヤモンド事件から、物語は取り返しのつかない喪失を伴う悲劇へ変化していきます。

原作の結末――ミレディはどうなり、四人は何を選んだか

終盤、ミレディはダルタニャンと三銃士らに捕らえられ、関係者による裁きの場に立たされます。彼女は有罪とされ、処刑人によって命を奪われます。これは法の手続きが整った近代的な裁判の勝利というより、復讐と私的な裁きが混ざる重い結末です。物語自身もその後味を残します。

ダルタニャンは枢機卿リシュリューのもとへ連行されますが、手元にあった枢機卿名義の文書を示します。リシュリューはその文書を破り、代わりに銃士隊の副官の任命状を与えます。最後にダルタニャンが得るのは、最初から持っていた地位ではなく、物語を通じて手に入れた新たな役職です。

さらに後日談では、ポルトスは結婚して隊を離れ、アラミスも宗教生活へ向かいます。アトスはしばらく隊に残りますが、やがて退きます。四人の友情が永遠に同じ職場で続くという終わり方ではなく、それぞれの人生が分かれていくのが原作の結末です。

まとめと出典――三人の銃士と、加わった一人の成長

『三銃士』では、ダルタニャンはアトス、ポルトス、アラミスと出会い、王妃をめぐる危機やミレディの陰謀に立ち向かいます。若い人物が友情や失敗を通じて成長する一方、すべてが明るい勝利で片づくわけではない作品です。

冒険文学を読み比べるなら、『トム・ソーヤーの冒険』の原作解説では少年の行動と責任、『宝島』の原作解説では財宝を追う仲間の信頼と裏切りを読めます。友人と一緒に危険へ向かうことの意味は、時代や作品によって変わると分かります。

原典・版と権利:Project Gutenberg『The Three Musketeers』(英語訳、全章と結末・後日談)、Project Gutenberg書誌(Alexandre Dumas/Auguste Maquet、1844年作品)。デュマと共同制作者マケの名も書誌上で確認しました。19世紀の原著作と古い英語訳は現代の翻訳・挿絵・映画の権利と別であり、英語訳を参照して独自に要約しています。

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