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『お気に召すまま』「時は人によって違う速さで進む」|ロザリンドの台詞と意味

「時は人によって違う速さで進む」はロザリンドの台詞

「時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走る」として知られる一節は、『お気に召すまま』第3幕第2場でロザリンドが語ります。

Time travels in divers paces with divers persons.

直訳に近く言えば「時はさまざまな人と、さまざまな歩調で旅をする」。ただし、これだけで終わりではありません。ロザリンドは直後に、時が「ゆっくり歩く人」「速足になる人」「駆ける人」「止まってしまう人」を具体的に挙げます。

結婚を待つ娘には一週間が七年に感じられる

オーランドーが「なぜ時の足を速いと言わないのか」と尋ねると、男装してガニメードを名乗るロザリンドが答えます。結婚の約束から式までを待つ若い女性には、たとえ一週間でも七年ほど長く感じられる、と。

逆に、絞首台へ向かう泥棒には時があまりに速く感じられ、休暇中の法律家には時が止まっているようだ、と冗談を重ねます。抽象的な時間論というより、人間の状況によって時間感覚が変わることを機知に富んだ会話にした場面です。

ロザリンド自身の恋も背景にある

ロザリンドはオーランドーを愛していますが、この時は男性ガニメードに変装しており、オーランドーは目の前の若者がロザリンド本人だと知りません。

その状態で二人が恋と時間について話していることが、この場面を単なる哲学的格言以上のものにします。ロザリンドは一般論を語りながら、自分自身も恋する者として時間を経験しています。

「時間管理」の教訓ではない

現在なら、楽しい時間は速く過ぎ、待つ時間は長く感じるという経験へ結びつけられます。しかし、シェイクスピアが時間管理術や生産性について教えた言葉ではありません。

重要なのは時計の時間そのものが変わるという話ではなく、人間が経験する時間の速さが状況によって異なるという観察です。

まとめ

“Time travels in divers paces with divers persons.” は『お気に召すまま』第3幕第2場、ロザリンドがオーランドーへ語る台詞です。

一文だけを人生論にするより、その後に続く結婚を待つ娘、絞首台へ向かう泥棒、休暇中の法律家という例まで読むと、シェイクスピアらしいユーモアと人間観察が見えてきます。

出典メモ:William Shakespeare, As You Like It, Act 3, Scene 2. Speaker: Rosalind, disguised as Ganymede. “Time travels in divers paces with divers persons.”

シェイクスピアを人物から読む

ウィリアム・シェイクスピア人物ページでは、作品に実在する一節を「作者の名言」にせず、登場人物・偽手紙・巻物など話者と劇的文脈を区別しながら横断して読めます。

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