「考えて考え抜いたら、だいたい考えたとおりになる。そのとおりにならないのは考えが足りないからである。」
松下幸之助の名言として広く紹介されている言葉です。
今回確認した範囲では、松下名義での流通と、本人が「考え抜く」ことを重視した思想的背景は確認できました。一方で、この完全な一文が最初に語られた講演・著作・録音などの一次資料までは特定できていません。
この文言は松下幸之助名義で広く流通している
致知出版社の松下幸之助名言集には、この文章が松下の言葉として掲載されています。
考えて考え抜いたら、だいたい考えたとおりになる。そのとおりにならないのは考えが足りないからである。
同じ致知のインタビュー記事でも、経営学者の加護野忠男氏が「幸之助さんは」としてこの文章を紹介しています。
したがって、近年になって無関係な人物から突然転用されたような引用ではなく、松下幸之助の言葉として相当広く定着していることは確認できます。
ただし「どの本の何ページか」は今回確定できなかった
名言の出典を考えるとき、「多くの本やサイトに載っている」ことと「一次資料を確認できる」ことは別です。
今回、松下幸之助に関する公式・準公式資料や関連資料を調べましたが、この完全な一文について、本人の著書名、講演日、録音記録などへ直接たどることはできませんでした。
そのため、このサイトでは現段階で「出典確認済み」とはしません。
一方、「考えて、考えて、考え抜く」は松下の思想と強く一致する
興味深いのは、正確な初出が未特定でも、「考え抜く」という姿勢そのものは松下幸之助についての信頼できる資料に繰り返し現れることです。
松下幸之助.comでは、難題に直面したときに「考えて、考えて、考え抜く」「何度も問い直す」という思考作業を松下が重視し、実践していたと説明されています。
また、松下は自分一人の思考だけに閉じるのではなく、他人や世間の声を聞き、いわゆる「衆知」を集め、自分の考えを問い直す姿勢も重視したとされています。
「思った通りになる」という精神論だけにしない
この引用だけを見ると、「強く考えれば現実は思い通りになる」という願望実現の言葉にも見えます。
しかし松下の「考え抜く」という思想を踏まえると、もう少し実務的です。
何度も問い直し、別の角度から考え、人の意見も聞き、自分の前提を修正する。その結果として、起こり得ることをできるだけ広く想定し、準備する。
「考えが足りない」とは、単に気合いが足りないというより、考慮すべき条件や可能性をまだ見落としていると読む方が、松下の思考法にはよく合います。
「考え抜く」と「行動する」は対立しない
深く考えることは、行動を先延ばしにすることとは違います。
松下の関連資料では、難題を前に考え直し、問い直し、新しい知恵を生み、それを日々の行動へつなげることが重視されています。
考えることと動くことを分けるのではなく、行動しながら問い直し、また考える。その往復を続けるところに、「考え抜く」という言葉の実質があります。
出典と判定
この文言は致知出版社の松下幸之助名言集などで松下名義として確認できます。
「考えて、考えて、考え抜く」という思考法については、松下幸之助.comの解説にも確認できます。
ただし、この完全な文言の初出となる一次資料は今回の調査では特定できなかったため、この記事では「要検証」と判断します。
引用の判定基準は出典ステータスの読み方にまとめています。
松下幸之助人物ページへ → 商売・経営・PHPと、確認済み/初出未特定の言葉をまとめて読めます。