「私が私として生きることを許して欲しい。そうすれば満足して生きられます。」
アンネ・フランクの言葉として広く知られる一節です。アンネ・フランク・ハウスの公式教材では、1944年4月11日の日記の言葉として、英語で次の一節が示されています。
Let me be myself and then I am satisfied.
出典:Anne Frank House「Let me be myself」
元の日記には、この一文の前がある
アンネ・フランク・ハウスの展示資料では、この一節の前に、自分には望み、目標、意見、宗教、愛があるという趣旨の文章が続いています。
その流れで「私を私のままでいさせてほしい。そうすれば満足だ」と書かれます。つまり単独の「自己肯定の名言」というより、自分自身の考えと内面を持つ人間として認められたいという文章です。
「私らしく生きれば成功できる」という教訓ではない
旧記事では、この言葉を現代的な自己実現やキャリア選択の教訓へ広げていました。
しかし日付と歴史的状況へ戻ると、隠れ家生活を続けていた15歳になる前のアンネが、自分の意見や人格を持つことについて書いた文章です。後世の自己啓発的な「自分らしさ」と同じものとして急いでまとめない方がよいでしょう。
日本語流通形との違い
英語の Let me be myself は「私を私のままでいさせて」「私自身でいさせて」に近い表現です。
日本語の「私が私として生きることを許して欲しい」は、その意味を自然な日本語として少し広げています。そのため、本記事では逐語一致ではなく「意訳・文言変化」として扱います。
出典状態
意訳・文言変化。アンネ・フランク・ハウスが1944年4月11日の日記として “Let me be myself and then I am satisfied.” を明示しています。日本語流通形はその意味を広げた訳です。