はじめに
“Our greatest weakness lies in giving up. The most certain way to succeed is always to try just one more time.”――「最大の弱点は諦めること。成功する最も確実な方法は、もう一度だけ試すこと」という言葉は、トーマス・エジソン名義で広く流通しています。
エジソン関連財団や現代の語録にも収録されていますが、現在の監査では、エジソン本人の書簡・インタビュー・同時代記事などに対応する確実な一次出典を特定できません。
「エジソンらしい」ことと、本人の逐語句は別
この言葉は、試行錯誤を続けたエジソンの人物像に非常によく合います。
しかし、その一致自体は出典の証拠ではありません。
現代のEdison & Ford系の語録資料ではエジソンの言葉として掲載されていますが、そこで元となった発言日・媒体まで示されていない場合、「本人の言葉として伝承されている」と「一次資料で確認できる」を分ける必要があります。
1910年の本物の逸話とは区別する
エジソンには、失敗を単なる無駄とみなさなかったことを示す、より確かな逸話があります。
1910年の公認伝記では、蓄電池の研究について「成果ならたくさん得た。うまくいかないものを数千通り知った」と答えたと記録されています。
したがって、エジソンが粘り強い実験観を持っていたことは別資料から支持できます。それでも、この「もう一度試せ」という特定の文章の真正性は別に判断します。
「もう一回」が常に正しいわけではない
言葉そのものは、諦める直前にもう一度試す価値を思い出させます。
ただし、同じ方法を情報更新なしに繰り返すことと、実験結果を受けて条件を変えながら再試行することは違います。
エジソンの実験方法へ接続するなら、粘ることより「前の試行から何を学び、次をどう変えるか」が重要です。
まとめ
「最大の弱点は諦めること。もう一度だけ試せ」はエジソン名義で広く流通していますが、現在の監査では確実な一次出典を確認できません。
したがって、エジソンへの伝承的帰属/一次出典未確認として扱います。
出典メモ:Edison & Ford Winter Estates系の現代語録に収録例あり。本人の同時代一次資料に対応する出典は現時点で未特定。
エジソンを人物から読む
トーマス・エジソン人物ページでは、発明・研究所・反復実験・商業化を横断し、真正な本人発言、後世の言い換え、人物像に吸着した努力名言を資料距離ごとに分けて読めます。
引用の判定基準は出典ステータスの読み方にまとめています。
監査済みの記事は、出典から名言を探すからも辿れます。