五木寛之(いつき・ひろゆき、1932年生まれ)は、小説・随筆・人生論など幅広い作品を手がける作家です。戦後に朝鮮半島から引き揚げた経験を持ち、『蒼ざめた馬を見よ』『青春の門』『親鸞』などの小説で知られる一方、『大河の一滴』『人生の目的』『人生のレシピ』では生き方をめぐる問いに取り組んできました。短い一文の印象だけでなく、どの著作の、どんな問題意識の中から出た言葉かを確かめるための人物ガイドです。
当サイトには五木寛之を主題にした公開記事が20本あります。そのうち18本を作品・テーマ別に案内し、残る2本は掲載方針との照合が必要なため、人物ガイドからの推薦対象には含めません。出版元で本人の文章を確認できるものと、書名だけが出典候補のもの、逐語原典未確認の流通句を区別しています。
五木寛之の生涯|引き揚げ経験から小説家へ
1932年に福岡県で生まれ、幼少期を朝鮮半島で過ごし、戦後に引き揚げました。早稲田大学露文科で学び、編集者やルポライターなどの仕事を経て創作活動へ向かいます。講談社の作家プロフィールには、引き揚げ、大学での学び、作家としての出発がまとめられています。作品を「苦労を乗り越えた成功談」に還元せず、その時代の経験がどのように文章へつながったかを考えることが大切です。
1966年に『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、翌1967年に『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、1976年に『青春の門』で吉川英治文学賞を受賞しました。『親鸞』も代表的な長編作品です。新潮社の著者プロフィールで、主要作品や受賞歴を確かめられます。
小説だけでなく、仏教をめぐる著作、寺院を訪ねる紀行、日々の暮らしを考える随筆を刊行してきました。物語の登場人物が考えることと、著者自身がエッセイで述べることを同一視しない姿勢は、言葉を読むときにも役立ちます。
『人生の目的』|万人共通の正解を求める問い
「人生に目的はあるのか。私はないと思う」は、五木自身が『人生の目的』に書いた文章から出発する解説です。幻冬舎が公開する本人の文章を読むと、人生に万人共通の決められた目的はない、という主張と、個人が何を目指すかは区別されていることが分かります。
「人生は思うにまかせぬものである」では、『人生の目的』にある人生の不確実さと、その条件の中で生きることを考えます。選べない出来事があるという認識は、努力や選択のすべてが無意味だという宣言とは異なります。
『人生の目的』は1999年に単行本が刊行され、その後文庫・新書などでも読まれました。幻冬舎の1999年刊書誌は版の違いを確認する入口です。一節の掲載ページを紹介する際には、どの版を参照したかも必要になります。
『大河の一滴』|存在の価値と科学だけでは語れない生活
「失敗した人生にも存在の価値がある」は、『大河の一滴』文庫版の頁数を示す二次的な掲載記録から出典を探る記事です。引用記録が存在しても、現物の該当紙面を直接校合したことにはならないため、記事の留保を引き継ぎます。
「科学だけで生きているわけではない」は、合理的な説明と人間の生活の複雑さについて考える記事です。出典候補として『大河の一滴』が挙げられていても、当該文章のどこまでが本人の原文で、どこからが流通上の要約かを確かめる必要があります。
五木の著作には、他人の苦労を外から簡単に評価しない姿勢が見られます。心に響く文だからといって、その人が必ず同じ状況に当てはまると決めず、本文の文脈と現代の読者が受け取る意味を分けることを心がけます。
『人生のレシピ』|「一日に一回よろこぶ」を原文から
「一日に一回、どんなことがあってもよろこぶ」は、NHK出版が公開する本人の文章に対応する解説です。本人が小さな出来事を手帳へ記していた経験として語られており、苦しみを抱える人に無理な楽観を命じた言葉ではありません。
「悲しむことは笑うことと同じくらい大事」は、出版元が公開した対談を手がかりにした記事です。悲しむことを否定しない考えと、どのような苦境にも同じ対応で十分という主張を混同しないことが重要です。
「よろこび上手」という言葉は、喜びを探す行動を考える一つの視点です。日常の小さな経験をどう受け止めるかは人によって違い、いつでも同じ気持ちになれるわけではありません。本人の体験談を、すべての人の感情を判定する物差しにしないように読みます。
作家の考えを短い格言にするときの注意
五木の名前で広まる言葉の中には、出版元の本文・著作の所在が確認できるものと、書名の示唆にとどまるものがあります。作品が存在することと、その一節が逐語的に同じ文面で掲載されていることは別の確認作業です。
また、ある言葉が似た意味で別の著者にも帰属される場合があります。語録サイトに人名が添えられているだけで、その人物の発言と確定しないことが、当サイトの出典検証の基本です。
このページでは20記事を無条件に全件推薦するのではなく、運営上の掲載方針に照らして18記事を選びました。未選定の記事を公開・非公開に変更したわけではありません。関連する格言を読むときは、各記事で示された原文と留保に戻ってください。
さらに12本の解説をテーマ別に探す
上で紹介した6記事のほかに、科学と個性、仕事や継続、人生の経験をめぐる12本の解説があります。引用の出典確認状態は一律ではありません。テーマごとの一覧から関心のある記事を選べます。
長い一覧を常に表示しないよう、下の関連索引は開閉式にしています。出典候補が見つかった記事も、逐語原典が未確認の場合はその扱いを維持しています。
五木寛之の関連解説12本を開く
これら12記事は関連する言葉への入口です。題名に五木寛之の名があっても本人の一次原典が確定したという意味ではありません。出典・文言差の説明はリンク先の記載を優先します。
科学・個性・人間観(4本):五木寛之「科学は常に両刃の剣である」 / 五木寛之「人間の値打ちは、ほかに似た人がいないこと」 / 五木寛之名義の「無限の可能性」批判 / 五木寛之「人間は誰でも自分がいちばん大切」
仕事・継続・暮らしのリズム(4本):五木寛之「プロとは技術ではなく、努力や研鑽を生き甲斐にできるか」 / 五木寛之「楽しいことは長続きする」 / 五木寛之「生活を守りながら時々変拍子を」 / 五木寛之「朝顔は夜の闇を経て咲く」
困難・経験・他者へのまなざし(4本):五木寛之「立ち上がれない人には励ましより慰め」 / 五木寛之「どれほど努力しても失敗ばかりする時期もある」 / 五木寛之「みじめな思い出が、人生で貴重な財産となるときもある」 / 五木寛之「寂しさを誤魔化してはならない」
主な資料とこのページの確認範囲
生涯と著作:新潮社・著者プロフィール、講談社・五木寛之オンライン、幻冬舎『人生の目的』単行本書誌。受賞歴と作品刊行の経緯を出版社の資料で確認しました。
本人の文章:幻冬舎『人生の目的』公開本文、NHK出版『人生のレシピ』掲載文。出版社が本文を公開している資料は出典確認の入口ですが、関連する全18記事の逐語文を今改めて校合したという意味ではありません。
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